Extra Edition
だけど美 第1巻 番外編
それからというもの──
──なんやかんやと1週間も冷たいメシを食べさせられたものの……
わたしはようやく、塀の外へと出てくることができました!
ああ、シャバの空気が上手いというのは本当だったのですね!
もぅ感無量です!
自由って素晴らしい!!
そう、お金がなくたって、食っちゃ寝できなくたっていいんです。
自由こそ、自由こそあれば!
そうして、いつだって頼りになる彼(あるいは彼女)さえいれば……!
留置所を晴れて出所したわたしは、下界担当官に戻されて、下界へと降り立ちました。
そうして──
──赤ちゃんの身でありながら、ティファさんに抱っこされつつ港で船の手配をしている、今日もがんばっているアオイさんを見つけて、わたしは駆け寄ります。
「──アオイさん!」
(よう、ユーリ。ようやく出所できたのか)
獄中で、改めて伝えようと思っていたその想い。
ようやく、伝えられるときが来て。
わたしは、ティファさんからアオイさんを渡してもらうと、ギュッと抱きしめて。
ついに、その一言を伝えます。
「アオイさん!」
(な、なんだよ……)
ほんのり頬を赤らめるアオイさん。
わたしは、満面の笑みでいいました。
「よくもわたしを投獄してくれましたね!?」
(ぐえぇ……お、おま、お前えぇぇ……!)
ちょっぴりな照れ隠しですよ? もちろん!
(おしまい♪)
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